モビフォン民営化計画への本格捜査

ベトナム国営通信事業者モビフォンの民営化計画に、共産党書記長兼国家主席のグエン・フー・チョン氏による本格的なメスが入り始めた。同計画にはグエン・タン・ズン前首相が深く関わっているとされ、今後の推移が注目される。

1112 – 14日に開かれた党中央検査委員会は、モビフォンによる有料テレビAVGの不正買収事件に絡みレ・マイン・ハー元官房副長官とチャン・バン・ヒエウ財務副大臣を譴責とした。さらにブイ・クアン・ビン前計画投資大臣の処分検討を党書記局に要請した。

モビフォンは20161月にAVGの株式95%を88900億ドン(425億円)で買収すると発表した。しかし経営不振に陥っていたAVGを不当で高値で買収することで国家に3億ドルの損害を与えたとして売買契約は今年3月に無効とされた。

これまでにモビフォンの元トップなど計4人が逮捕された。また買収当時に情報通信省で大臣と副大臣を務めていた2人も処分を受けた。

政府の調査によれば、計画投資省は201511月に投資法に反して当時のズン首相に買収の原則承認を求めた。だが同省は翌年1月になって上場計画があるモビフォンにとってAVG買収はリスクが大きいとして一転して中止を提案した。

また財務省は、買収がモビフォンの財務に与える影響を適切に評価しなかった。さらに首相府は、十分な情報がそろわないまま両省に買収計画に関する評価を指示し、その後にズン前首相に計画を原則承認するよう申請した。

モビフォンのIPOアドバイザリは、ズン前首相の娘であるグエン・タイン・フオン氏が創業し、会長を務めるベトキャピタル証券だ。ベトキャピタルはAVG買収にも関与が指摘される。

チョン書記長が率いる党中央反汚職指導委員会は検査委開催に先立つ10日、AVGの事件などについて、年内に訴追して処理するよう関係機関に指示を出した。事件の捜査対象者はさらに広がる可能性がある。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)