トゥーティエム不法開発、責任者を特定へ

ホーチミン市の新都市として開発が進む2区トゥーティエム(写真、1区からサイゴン川の向こうにトゥーティエムを臨む)で、当初の計画になかったにもかかわらず不法に一部の住民を退去させて土地を収用した問題で、市は11月末までに当時の責任者を特定する。長年にわたりホーチミン市の指導部に君臨し、トゥーティエム開発計画を推進したレー・タイン・ハイ氏の責任が明らかになるかが焦点となる。

1996年に承認されたトゥーティエム半島の657ヘクタールを対象とする開発計画では、これまでに15000世帯が立ち退いた。しかし計画の対象外にあった少なくとも4.3ヘクタールに暮らしていた住民までもが立ち退きを強いられ、100世帯が開発は違法と訴えていた。

トゥーティエムの元住民らは立退料の低さも問題視している。ある住民は、「1平米当たり1800万ドン(790ドル)の補償で立ち退いた土地をデベロッパーは、開発後に20倍近い35千万(15,360ドル)で売った」として立退料の引き上げを求めている。

1020日に開催された元住民との対話集会で、市トップのグエン・ティエン・ニャン市共産党委員会書記は、問題の解決に取り組む姿勢をみせるとともに、「過去の市指導部の過ちを正すことに全力を挙げる」と述べた。

トゥーティエムの違法開発で黒幕と目されるのが、市人民委員長、党書記を2016年まで計15年も務めたレー・タイン・ハイ氏だ。今年に入り、ハイ氏の息子や弟が不正で処分されておりハイ氏の力は衰えている。何年も前から続いてきたトゥーティエムの住民らの訴えが軌を一にして表面化したのもその表れだ。ただ住民の中には、「ハイ氏らの息のかかった者たちがまだ残っている」として、氏の責任がどこまで明らかになるかについては懐疑的な意見が出ている。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)