シンガポール企業、米財務省から北朝鮮絡みで制裁

シンガポール籍船が北朝鮮との密輸と違法送金に絡んだ事案が、また摘発された。米政府が25日、穀物や原油輸送を行うシンガポール企業Wee Tiong (S) Pte Ltdと、同社役員で大株主のTan Wee Beng氏、さらに密輸に関わった船2隻を、北朝鮮に関する国連決議違反で制裁対象にすると発表した。米財務省発表や報道などによると、同社は少なくとも2011年から数年に渡り、国連決議による監視をくぐり抜けて北朝鮮の穀物密輸を自社船でアレンジし、また、北朝鮮への送金、さらには現金の手持ちを支援した、という。米国制裁により今後、同社と、関連原油輸送会社WT Marine Pte. Ltd, Tan氏、さらには当該2隻はOFACリストに掲載され、米国内の資産凍結、米企業との取引停止措置などを受ける。Wee Tiong社は密輸にあたり、シンガポール、タイ、香港などにあるフロント企業を駆使していたという報道もある。

Wee Tiong社のウェブサイトによると、同社は1993年にTan氏の父Tan Siong Kern氏が設立した、砂糖や穀物などの中堅専門商社。2016年、銀行借り入れなどで別の会社から計17隻の原油輸送船を買い付けて業容拡大し、年商4億米ドルに達していた。サイトには、大手会計事務所などからこれまで多くのアワードを受賞したこと、公正性とマナーを大切にしていることなどを掲げている。

標語の一つは「Honesty, Integrity & Humility」だった。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)