スロバキア、越に外交措置を警告(English version issued simultaneously)

スロバキアが伝統的な友好国であるベトナムに対する外交的措置を検討している。20177月にベトナム諜報機関がベルリンで拉致したペトロベトナム建設のチン・スアン・タイン元会長を帰国させる過程で、スロバキアが提供した航空機が使われた疑惑が強まっているからだ。

102日付スロバキア紙プラウダによれば、同国のペレグリニ首相は同紙に対して「ベトナム外交団が自国民の拉致のために我が国への訪問を悪用したことが確認されれば、重大な外交上の結果を招く」と怒りをあらわにした。

欧米メディアなどによれば、在任中の不正でベトナム当局から指名手配を受けていたタイン元会長は2017723日、亡命を申請していたベルリンでベトナム諜報機関により拉致された。ドイツ捜査当局によれば、タイン元会長は陸路スロバキアに運ばれ、7月26日に同地を訪問していたトーラム公安大臣ら一行とともに、スロバキアが提供した航空機でポーランド領空を通過してモスクワに連れ去られた。そして28日にベトナム航空機でハノイに帰国させられた。

スロバキアは、自国が提供した航空機を悪用した疑惑に対するベトナム政府の対応に強い不満を持っている。ライチャーク外相は先月26日、訪問先のニューヨークでベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相と会談し、ベトナム政府が疑惑を否定し続ける場合は「2国間関係に影響を及ぼすだけでなく、EUの利益に基づいて行動を取る」と通告したとされる。

EUの利益に基づいて取る行動」の対象は、欧州・ベトナム間の自由貿易協定(EVFTA)と考えられる。201512月に締結されたEVFTAはいまだ批准に至っていない。またタイン氏の拉致事件については、主権を侵害されたとしてドイツも、ベトナムとの戦略的パートナーシップ関係を一時的に中断する措置を取っている。ベトナムは拉致そのものを否定しているが、事件への対応次第で、2019年を目指すEVFTA批准がさらに遅れる恐れがある。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)