マレーシア、原子力発電所を持たないという選択

マレーシアのマハティール首相が、9月18日の電力供給産業コンフェランスで、原子力発電所をマレーシアに作らない方針を改めて明確にした(写真はフィリピン・マニラ近郊で再開も囁かれる原発BNPP)。放射線廃棄物の科学的に安全な処理方法が見つからない限り、原子力発電所は持つべきではないと主張。マレーシアでは以前、カラーテレビ製造の際にスズを使用し、その過程で出た放射性物質の廃棄のために1㎢の開発可能だった土地を無駄にしたと語った。アブドラ政権とナジブ政権の際には原子力発電への進出も考えられていたようだが、マハティール首相はその可能性が当面は無いことを明言したのだ。マレーシアは今後も化石燃料や水を使用し電力発電を行っていく方針だ。そのために、セランゴール、サバー、セラワク等の石炭が豊富な地域でのさらなる開拓を示唆した。

インドネシア、フィリピン、タイでは電力需要の急激な増加に対応するため原子力発電への進出が検討されている。一方でベトナムでは、資金難と地元住民の強い反対で原子力発電所建設計画は中止された。今回のマハティール首相の原子力発電所を持たない選択は、周辺国の方針に何らかの影響を与えるかもしれない。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)