大坂選手に改めて見る英語発信の威力

先週、マレーシアの史上最年少大臣サイド・サディク氏のことを書いた。改めて彼のことを思い起こさせたのは、テニスの全米オープンで見事優勝を飾った大坂ナオミ選手の報道だ。サディク氏は、様々なインタビューの中で「マレーシアの若者は英語を学ぶことで多くのことを得られる」とコメントしているが、それはマレーシアの若者に限ったことではない。日本語の苦手な大坂選手だが、英語での発信の威力は計り知れない。ご存知の通り、優勝後は、アメリカ大手放送局NBCの朝の国民的番組「トゥデー」に出演、さらに全米人気No. 1の司会者エレン・デジェネレスのトークショーでも司会者を魅了するほどのキラキラした個性を発揮した。

この二つのアメリカの番組に出たということは、世界中に同時発信できたのと同じである。失礼な言い方かもしれないが、日本のトークショーに出て日本語で発信するのとは、情報を受け取る人数も、情報が流れる速さも桁が2つは違う(これを指摘した日本メディアはなかったのではないか)。

大坂選手は外国育ちだから、としてしまえばそれでいいのだろうか。

世界はかなりの部分が英語基軸で回っている。複数国共通の土台でそれなりの情報やコンタクトを得たり、人に働きかけようとした場合、やはり、英語が必須なのだ。世界経済フォーラムで流暢な英語を披露したサディク氏や、初めてのトークショーで司会者を魅了した大坂氏への世界からの反響がそれを証明してくれていると思う。

日本人だから日本語教育の大切さもわかる。しかし、世界はもう母国語だけでは回っていない。英語を母国語としない東南アジアの人、ヨーロッパの人、中東・アフリカ圏の人、世界で活躍する人たちはみんな母国語以外に最低限英語を話し、加え1、2か国語を話す。アリババの会長ジャック・マーだってそうだ。

英語が母国語の人に有利な環境かもしれない。しかしそうは言っていられないのだ。英語での発信の重要性は今後も変わらず、その威力は強まることがあっても、弱まることはない。

2020年にオリンピックを迎える日本。英語、そして「第二外国語」を実地で使える若者を今後どんどん増やしてこそ、国が拓かれるのではないか。

(Hummingbird Advisories  白新田 十久子、佐藤 剛己)