ミャンマーに政治の季節到来

2020年に総選挙を迎えるミャンマー、選挙を見据えた動きが活発化している。今月、元軍人2人が”National Political Party”(国家政治党)という新たな政党申請を選挙管理委員会(UEC)に出した。2人は元ミャンマー軍大将のSoe MaungとLun Maungで、Soe Maungはテイン・セイン政権で大統領府付き大臣を務めたが、2015年の選挙で敗北。Lun Maungは同政権下で2012年に失職するまで会計検査院長官を務め、今はモン州のビリンでレストランを経営中だ。まだ党の政策の詳細などは決まっていないようだが、政党設立要件の15人は集め、他にも元軍人がメンバーとして登録されているようだ。

政界では、この党が旧与党の連邦団結発展党(USDP)の権力者で軍事政権ナンバー3だったShwe Mann(シュエ・マン)を次期総選挙で担ぎ上げるプラットフォームになるのでは、と憶測を呼んでいる。シュエ・マンはテイン・セインとの政争に敗れ、2015年の選挙に落選、その後アウン・サン・スー・チーとの協力関係を築き、現在は下院法務諮問委員会委員長を務める。

ミャンマーには現在110の政党があり、その中には88年学生世代のコ・コ・ジー(Ko Ko Gyi)が最近設立した”Four Eights People’s Party”(8888人民党)が含まれる。コ・コ・ジーは、2015年の総選挙で国民民主連盟(NLD)からの出馬が確実視されていたが、88年学生世代の役割は終わったとしてアウン・サン・スー・チーがコ・コ・ジーを推薦リストから外したと言われている。8888人民党はコ・コ・ジー自身を含む88人の88年学生世代がメンバーだ。

現 NLD政権はロヒンギャ問題への対応や経済成長の鈍化で批判を受けている。総選挙まであと2年、その短い期間で現政権は国民の支持を強く得るための成果を出せるか。はたまた旧軍事勢力や88年学生世代がNLDの勢いを削ぐ勢力として成長するか。ミャンマーにも政治の季節到来である。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子、敬称略)