ベトナム流「虎も蠅も叩く」

ベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長が指揮する反汚職運動が盛り上がっている。党の汚職摘発機関は9月、中部最大都市ダナンのトップ、グエン・スアン・アイン党書記らについて国有地の不適切な処理などで処分妥当と結論づけた。

10月初旬の党中央委員会総会(第6中総)がアイン氏らに処分を下す。翌月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、開催地ダナンのトップが更迭される見込みだ。後任にはチャン・トゥアン・アイン商工大臣やチュオン・クアン・ギア運輸大臣らの名が上がる。

その第6中総では、グエン・ティ・キム・ティエン保健大臣に加え、5月に政治局から追放されたディン・ラ・タン前ホーチミン市党書記、現政治局員のグエン・バン・ビン前中央銀行総裁にも処分が及ぶ可能性がある。

チョン氏による相次ぐ大物の追及は、習近平の「虎も蠅も叩く」がモデルだ。党の正統性を保つと同時に政敵を追い落とす手段でもある。最終的な標的にグエン・タン・ズン前首相を見据える。

73歳のチョン書記長は2018年に引退するとみられていたが、反汚職の成功で2021年までの任期を全うするとの観測が強まっている。チョン氏の影響力を測り、今後の政局を占う意味でも第6中総が「虎」たちをどこまで追い詰めるかから目が離せない。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)