薬物乱用、例外でないシンガポール

「厳しい国内法規を逃れるためにお隣でクスリを」。シンガポールの薬物乱用者にこんな傾向が見られることを示唆するニュースがあった。国内での薬物関連逮捕者は減少傾向にあるが、国境(チェックポイント)での逮捕者数は増えている、というのだ。

話のきっかけは、この夏ごろ(シンガポール警察は逮捕時期をはっきり発表しない)にシンガポールの元アイドルHady Mirza容疑者が2つあるマレーシアとの陸路チェックポイントの1つで逮捕され、チャンギ刑務所に入ったことだ。Hady Mirza容疑者はアイドルとしての成功後に興した事業がうまくいかず、今年からグラブの運転手をしていた。報道を総合すると、マレーシア側で薬物を乱用し、未使用の薬物を車で持ち込もうとしたところ当局に見つかったらしい。こうした「国外使用後、国内持ち込み」で逮捕されるパターンが、中央麻薬捜査局(CNB)データによると2013年に47件だったのが、昨年は126件に上ったという。報道は、タイなど近隣諸国が医療用大麻の合法化に動いていることを上げ、「今後もチェックポイントでの逮捕者は増えるだろう」との専門家のコメントを紹介している。

一方で国内での摘発件数は減少傾向。同じCNBによる年初の発表によると、2016年は1917件だったのが、2017年は1840件、4%の減少だったという。とは言え、こちらも当局のPRのせいか、摘発ニュースは頻繁に出て来る。最近も、6月初旬のCNB・シンガポール警察の合同捜査による6日間で91人が逮捕、8月初旬にも14ー37歳の6人が路上で逮捕された。

薬物乱用は昔から東南アジア全体。シンガポールもその例外ではない。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)