ドゥテルテの憲法改正チャレンジ

フィリピンのドゥテルテ大統領がまた一波乱起こしている。今度は政治制度の抜本的改革(改悪?)だ。マルコス時代以来初めての憲法改正により、現在の大統領下の単一政府制から、大統領と首相下の連邦制に変更しようというのだ。加えて、財界から憲法改正への支持を得るため、現在憲法で40%と定められている外国人持ち株比率を撤廃、外国人保有は自由とする案が与党議員たちから出ている。

先月半ばに行われた世論調査によると、67%が憲法改正に反対で、3月の調査よりも3%アップ。地理的に反政府勢力が唯一ベースとするミンダナオ島だけ、過半数以上が賛成している。

ドゥテルテ大統領は、連邦制への移行で、地方により強い権限と多い財源を与えることができ、地域間の格差を縮め、地域独自の経済発展を進めることができると謳う。しかし、そう一筋縄ではいかないようだ。

与党内からも聞かれる懸念の一つが、今でもすでに強いとされる官僚制のさらなる強化だ。連邦制への移行で役人の権力がさらに強くなれば、地方での更なる搾取、汚職の横行が指摘されている。また、地方に税源の自由裁量を認めれば、安易に収入を上げようと新しい税を導入したり、また税率を上げる地域が出てくるかもしれない。地域間の格差がさらに広がり、貧乏人はさらに貧乏に、政界とつながるお金持ちは更にお金持ちにと言う状況も容易に想像できる。

強権と言われるドゥテルテ大統領だが、今回の憲法改正にはより多くの国民の理解と支持を取り付けない限り難しいとされる。さらなる検討と時間は与えられるだろうか。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)