1MDB捜査、一寸先は闇

マレーシアの1MDBを巡り、ここへ来て、マレーシア証券委員会(SC)とオーストラリアへの批判がくすぶり出している。6月初頭には、中央銀行総裁が辞めさせられたところで、ナジブ元首相が国有地をマレーシア中央銀行に購入させ、売却代金5億ドルの一部を1MDBへの返済に充てた、との報道を受けてのもの。私的流用の問題はまだまだ片付きそうにない。

SCは政府内で警察、マレーシア反汚職委員会(MACC)と共に1MDB捜査の一翼を担っている。1MDBの関係では、豪首相の息子がスキャンダルに関与している疑いが浮上(マハーティル現首相は選挙前から問題視)する中、SCがオーストラリアの証券投資委員会(ASIC)と長らく保持する相互協定を発動するよう求める声が上がっているにもかかわらず、SCにその気配がない、というのが批判の理由だ。6月28日にマレーシア駐在の豪高等弁務官がSCではなくMACCを訪れたことも、さらに憶測を呼んでいる。

前司法長官で現在は1MDB特別委員会議長を務めるアブ・タイブ・オトマン氏も、捜査は国境を越える取引の詳細解明で、特に警察とSCでの捜査の重複が大きかったことを示唆しており、新政権(写真は選挙翌日の紙面)の1MDB捜査も一筋縄ではないことが伺える。

捜査についてマハティール首相は外遊中のジャカルタで6月28日、「ナジブ氏逮捕は近い」と発言。また7月2日には、UMNO党首に選出されたばかりのアマド・ザヒド・ハミディ前副首相(元内務相)が、自身設立の慈善団体への嫌疑も重なってMACCから事情聴取されるなど、依然として混沌とした状況が続いている。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)