ベトナムのデモ、ガス抜き後取り締まり?

ベトナムで荒っぽいデモが発生した。経済特区を設置する法案が中国企業を利するとの反発からで、10日(日)に続き12日(火)まで散発した。法案自体は直前の土曜日に延期が決まっていて、当局に近い筋によると日曜日のデモは「ガス抜きのため」ほぼ黙認。だが「月曜日以降も発生することは想定外」で、急遽取り締まりに入ったということのようだ。

ベトナムでは近時、トゥーティエム開発の政府役人による土地不正使用、監視強化を狙うサイバーセキュリティ法案のほか、「役人が投機で儲けすぎ」(某ベトナム企業幹部)という世論の慢性的な不満も募っている。デモの影響で一部日系企業も操業を一時停止した模様だ。

デモの発生および政府の介入タイミングは、政府による世論統制(懐柔)の方向性を推し量るいい材料だ。

参考までに、12日に在ホーチミン日本国総領事館から出た注意喚起メールは次の通り。

「6月10 日(日)に,ホーチミン市をはじめ全国各地で「経済特区指定における中国への長期貸借に対する抗議デモ」が発生し,一部の省では暴徒化した群衆が建物を破壊・放火する等の事案が発生しています。

上記デモとの関係は不明ですが,6月12日(火)に、ロンアン省の工業団地内にある日系・中華系・ベトナム系企業等に対し,手に棒を所持したデモ隊が「帰ろう」等シュプレヒコールを挙げながら無差別に押し寄せる事案が発生したとの情報があります。

同デモ隊は、10日に発生したデモで手にしていたような「No China」等のプラカードは持っておらず、その目的等は不明ですが、一部のデモ参加者が企業の社員に投石する等の行動が報告されています。同様の行為がビンズオン省の工業団地内でも発生しているとの情報もありますところ、各企業にあっては,社内での連絡体制・情報収集を強化し、社員及
び会社に被害が及ばないよう注意して下さい。」

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)