FBスクリーニング、ミャンマーでも

最近何かと問題の多いFacebook(FB)、ミャンマーでも人種・宗教差別や偏見を助長するプラットフォームになっていると問題視されている。人口約5,000万人の国で、1,800万のFBアカウントが存在する。国の発展と人々の収入増でコンピューターや携帯電話でインターネットへのアクセスが可能となり、FBアカウント数は増える一方だ。「友達」とのコネクションを楽しめる一方、ヘイトスピーチや差別・偏見に満ちた投稿も増えている。調査に乗り出した国連が問題視したのが、過激派仏教団体僧侶のロヒンギャ(ミャンマーのイスラム教徒)に対する憎悪や暴力を煽る投稿だ。

これを受けFBも先週、ミャンマーで過去最大のプロファイルチェックを実施、過激派仏教団体「ミャンマー愛国協会(マバタ)」のアカウントと過激派僧侶二人のアカウントを禁止・削除した。FBのアジア太平洋広報担当副社長は自社の対応の遅れを認めた上で今後、シンガポールとバンコクからミャンマーでの差別的投稿をチェックし、ビルマ語を使うスタッフを増やすとした。

今回のアカウントの削除は、FB副社長とぺ・ミン情報相とのミーティングの翌日に行われた。削除された中には、政府に批判的な投稿をしていた人も含まれたようで、FBの政府に対する忖度だと批判する人もいる。これに対し情報相は「FBにヘイトスピーチや国内に緊張をもたらすような攻撃的で俗悪な投稿をモニターして欲しい」と、お願いしただけだという声明を出した。与党国民民主連盟(NLD)も、FBのアクションには全く関わっていないと発表した。

東南アジアの中でもまだまだ発展途上のミャンマーだが、ソーシャルメディアの活用は先進国並みに増えていくことが容易に予想される。差別や暴力を助長する過激派や利益団体による活用も活発化し、他の東南アジア諸国で起きている政府の不遠慮な監視もあるかもしれない。民主主義が根付き始めたとされるミャンマーだが、反社会的な行動や政府を監視するシビル・ソサイエティの形成はまだまだ発展途上だ。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)