東南アジアの覚せい剤急増、打開目処立たず

タイの覚せい剤汚染深刻化を伝える報道が続いている。3月25日ー4月1日までの一斉摘発では、数1000キロに上る覚せい剤を押収、11人が逮捕された。北部チエンラーイ県のケースでは、一度に覚せい剤なんと(クリスタル・メタンフェタミン)788キロ、メタンフェタミン錠剤約940万錠(末端価格計約5400万米ドル)がメコン川沿いを走るトラックから押収された(4月4日タイ当局発表)。

メコン河流域のゴールデン・トライアングル周辺を中心に莫大な薬物が放出されており、タイの覚せい剤流入増加は、フィリピンでの大々的な麻薬取締が遠因とする説もある。タイ陸軍第3管区(北部管轄)の昨年8月発表の統計(2015年7月ー2016年7月)によると、タイ北部経由の密輸覚せい剤押収量は、錠剤で対前年比77%、粉末で同340%の増加だった。密輸された薬物は国内消費だけでなく、東南アジア全域やオセアニア、北米までも届けられるという。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)はここ数年、覚せい剤被害の急増に警告し続けているが、「問題の終わりが見えない」(Jeremy Douglas東南アジア地域代表)状況。タイ国内の日系企業でも従業員問題に発展している。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)