南シナ海で中国に再び屈したベトナム

3月23日付イギリスBBCによれば、ベトナムは、南シナ海で商業掘削の開始直前だった油田開発を中断させた。領有権を争う中国からの圧力を受けて、開発権を握るスペインの石油大手レプソルに待ったをかけた形だ。

これでベトナムは昨年7月に次ぎ、9カ月で2度、中国の圧力を前に南シナ海での資源掘削を断念したことになる。どちらもレプソルの鉱区で互いに隣接する。

中国は南シナ海のほぼ全域、いわゆる「九段線」圏の領有権を主張している。ただ興味深いのは、昨年7月に問題となった鉱区「136/3」についてロイター通信は当時、「九段線の内側(inside)」と記載していた。しかしロイターは今回の鉱区「レッドエンペラー(カーロン・ドー)」について「九段線に近い(near)」と書いた。2つの記事を書いた記者は異なり、彼らが正確な場所をどこまで意識したか分からない。ただ事実であれば、ベトナムは昨年7月の教訓を踏まえ、より中国に配慮したにもかかわらず、再びプレッシャーをかけられ抗いきれなかったことになる。

今月初め、米国の空母がベトナム戦争以来のベトナムへの寄港を果たし、中国に対抗する米越の接近が大々的に報じられた。しかし中国の人民日報は社説で米空母の寄港を「金の無駄」と切って捨てたという。

ロイターによれば、最高指導部である共産党政治局は、レッドエンペラーでの掘削を一時中断とするのか、恒久的に中止してレプソルとの契約を破棄するのか近く議論する。レプソルらは既に2億ドルを投じたとされ、破棄になれば当然に補償問題になる。人民日報の言う通り「金の無駄」になるだけでなく、南シナ海における米国の存在感、さらに最高指導者であるグエン・フー・チョン書記長の威信に影を差すことになる。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)