地域課題を見事に照射した、英誌The Economistのカンファレンス

英誌The Economist主催の「Global Illicit Trade Summit 2018」。2回目の今回は、マレーシア・クアラルンプールでの開催となった。

国連やテロの専門家など、文字通り多士済済による迫力ある議論だった。その概要はニュース各紙で出ているので、違法取引でも東南アジアに関わる興味深い部分だけご紹介する。

  • 違法取引に対して域内政府は体制が取れていない。官民の情報共有も他地域ほど進んでいない
  • シンガポールは中継貿易で生きてきているので、UNODCのイニシアチブに消極的
  • マレーシアは、違法輸入のタバコに手を全く打てていない(タバコ製造業者が数社参加していたが、皆顔をしかめていた。筆者ともう一人の日本人の方は「マレーシアは違法製品が市場を席巻していますからねえ」と解説してくれた)
  • メキシコから出荷されるアボガトには地元テロ集団の「税金」が課されていて、消費者の購入はテロ組織の支援を意味している
  • 自由貿易地域(FTZ)を拠点とする違法貿易(製品横流しなど)は、ほとんど何の手も打てていない(域内では特にマレーシアに多い)
  • 中東のテロ組織タリバンは、財務対策の一環で羊の角を中国に販売している(「漢方に使うので中国人には売れる」とはテロ専門家の発言)

議論はどれも大いに日本企業にも関係するところで、日本でもこうしたカンファレンスが増えることを願った機会でもあった。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)