ロヒンギャ難民キャンプの環境破壊や災害深刻化

ロヒンギャ難民キャンプの環境破壊や災害が深刻化している。

ミャンマー西部ラカイン州から弾圧を逃れて隣国バングラデシュに流入したイスラム系少数民族ロヒンギャの難民は、昨年八月以降だけで60数万人、以前から居住する難民と合わせると実際には100万人超といわれる。帰還の見通しが立たない中、難民キャンプが集中するコックスバザール県一帯(写真、筆者撮影)では、人道問題とは別に動植物への影響など環境破壊がクローズアップされているのだ。

国連開発計画(UNDP)によると、難民キャンプは農村地帯の丘陵1,485ヘクタールを切り開いて急造され、さらに薪用の樹木の伐採などによって2万6000ヘクタールの山林が荒廃する恐れがある。周辺は野生の象の生息域で、キャンプに象が侵入して死傷者が出る騒ぎが発生、動植物への影響や地下水汚染も懸念される。

加えて、モンスーンの影響で降水量が増える5月~10月頃は地滑りが多発し、急斜面に密集するテントが流されたり、低地が水没したりする可能性が高い。国連機関はハザードマップを作成して対策を急いでいるが、自然災害が難民に追い打ちをかける事態も否定できない。

(ジャーナリスト 中坪央暁)