賭博開帳の公安幹部を逮捕、止まらない反汚職

先週は2つの大きな事件がベトナムを騒がした。一つが携帯キャリア大手のモビフォンによる有料テレビ会社オーディオ・ビジュアル・グローバル(AVG)に対する不透明な買収について政府が不正と結論付けたこと。もう一つが公安元幹部が賭博開帳に関与したとして逮捕されたことだ。どちらも今の政局と密接に絡み合っている。

モビフォンは2016年初めにAVGを約400億円で買収したが、調査の結果、買収価格は適正価格の9倍に上ることが判明。ベトナム政府査察部は、国営企業のモビフォンが買収価格を水増ししたことは「起訴相当」として、所管の情報通信省などの責任が追及されることになった。この買収には、グエン・タン・ズン前首相の娘が経営するベトキャピタル証券が深くかかわっていたされる。ズン一派の一掃を図るグエン・フー・チョン書記長の「反汚職運動」は、本丸ズン氏にいよいよ迫る。

公安の少将まで上り詰めたグエン・タイン・ホア氏は、インターネット上で50億円規模の賭博を組織したとして11日に逮捕された。年明けには元公安でダナンで権勢を誇った実業家「ブー・ニョム」ことファン・バン・アイン・ブー氏が逮捕されている。チョン書記長は、公安の組織改革に取り組んでおり、二人の大物の逮捕は公安内にもチョン氏の影響力が浸透していることを示す。5月の共産党中央委員会総会では、公安幹部の大幅な入れ替えもあるとの観測も出始めている。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)