在星北朝鮮系企業が新たに制裁逃れの指摘

シンガポールに拠点を持つ北朝鮮系企業2社が、国連と加盟各国から制裁中の北朝鮮に「ぜいたく品」を輸出していたとして国連報告書の草案で名指し非難されている。BBCのスクープを受けてアジア各紙も一斉に報じている。報告書は今週後半にも公開されるらしい。

2社は同一の北朝鮮系人物が経営するOCNとT Specialist。昨年7月からこの事案を指摘し始めた北朝鮮専門サイトによれば、両社は北朝鮮労働党39号室につながり、少なくとも2014年までの4年間に200万米ドル分を輸出していたという。両社と弁護士は否定している。

それにしても、通商で生きているシンガポールとしてはやたらと国境の垣根を高くする訳にもいかず、頭の痛い事案に違いない。1月にも、北朝鮮タンカーがシンガポール登記企業の船から「瀬取り」といわれる方法で東シナ海の公海上で積荷を受け取っていたことが発覚したところだ。「北系」企業は、シンガポールに数多い。

シンガポール金融管理局(MAS)は、1)複数国にまたがるフロント企業、2)ハコだけの会社(shell company)、3)JVまたは所有形態の複雑な企業、については、そのスクリーニングを強化するよう、在星金融機関に要請している。金融機関はかなり前から人手を増やして対応しているが、そのスクリーニングさえシステム・プロセス依拠が過多なこともあって「形骸化している」「フォルスポジティブ(誤検出)フォルスネガティブ(見逃し)が多すぎる」と嘆きが聞こえる。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)