経済に苦しむブルネイに触手を伸ばす中国

South China Morning Postにブルネイの経済停滞と中国の投資の増加に関する記事があった。ご存知の通り、ブルネイは石油・ガス資源国で、資源依存国。その資源もあと20年もすれば枯渇すると言われ、首相・国防相・蔵相を兼任するハサナル・ボルキア国王は、経済改革と収入資源の多様化に躍起だ。賄賂や汚職、反対勢力の取り締まりにも注力する。HSBCやCitibankなどの大手銀行がブルネイから採算から撤退し、アメリカの援助も2012年までに1.16億米ドルにしか満たない中、助け舟を出したのが中国だ。

南シナ海に面するブルネイは人口43万人ほどだが、一帯一路政策の「21世紀の海洋シルクロード」(「南シナ海を支配下に置く」との観点)から、ASEAN内で支持を増やしたい中国にとっては重要な国だ。中国のブルネイへの投資は2010年と2013年の合計ですでに41億米ドルを超えており、ムアラ・ベサール島での石油精製・石油化学プロジェクトは今までで最大の海外投資。2016年12月には中國銀行がブルネイに最初の支店を開業した。ブルネイ政府にとっては中国が救世主のように思えるのかもしれない。

(ちなみに今年2月に河野外相がブルネイを訪問し、初の日ブルネイ外相会談を行い、日本企業の投資促進、経済・防衛での二国間協力推進で一致している。)

さて、その記事で紹介されたのが、アメリカ共和党系シンクタンクAEI(アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所)のChina Global Investment Trackerというデータ研究だ。2005年から2017年に中国が世界中で投資した地域や国、産業分野が検索できる。中国がどの国、どの分野で影響を与えようとしているのかが分かる。それによると、東アジアへの投資額は2014年までは年間200億米ドル台前後だったが、2015年以降は350億米ドルから400億米ドル近くに増えている。

お時間のある時にこうしたデータを見て中国のビジネス動向を探ってみるのはいかがだろうか。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)