選挙前に「口撃」増すマレーシア

東南アジアは今年から選挙シーズンに入る。先陣を切るのが、早ければ5月にも総選挙実施が見込まれるマレーシア。元首相マハティール氏が参戦して各派の「口撃」も目立ってきた。

2月下旬に反政府ブロガーで知られるラジャ・ペトラ・カマルディン氏が「ロバート・クオック氏(「砂糖王」とも称される華僑系マレーシア人富豪)が中華系野党DAPに巨額資金提供をしていた」と、自身主宰のマレーシア・トゥデーで暴露。いきなり名指しされたDAPは「全くのナンセンスで、与党UMNOの策略だ」と主張している。クオック氏も反発する。

これに対し野党をまとめ切れないマハティール氏は別のメディアで「野党に寄付をして何が悪い。与党だって1MDBの資金は寄付と主張してるではないか」と、皮肉の援護射撃する。マハティール氏は昨年8月、息子3人が同時に税務当局の査察に逢うなど圧力を受けていることもあり、現政権を徹底批判。「与党はラッキドローを通じて国民に家やバイクを提供している。これは賄賂ではないか」という訳だ

その後、カマルディン氏の記事は、クオック氏側の政府メディア委員会を通じたクレームで削除され、同氏は委員会の対応に謝意を示した。

マレーシアに限らず東南アジア各国の華僑系ビジネスパーソンは、与野党問わず政治へ巨額の寄付をしているケースが多い。選挙になると献金の事実が各派からの攻撃材料になり、また中華系住民の立ち位置を巡る対立があからさまになるのもまた恒例である。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)