バンコクでサイバー犯罪の首謀者逮捕

ダークウェブの犯罪集団として近年有名になっていたウクライナ発祥「Infraud」が今月上旬、米司法省による世界7か国一斉摘発を受け、関係者36人が逮捕された。これとは別に、米の要請を受けたタイ警察がInfraud共同代表のロシア人Sergey Medvedev(逮捕報道時31歳)を同時に逮捕した。過去6年に渡りタイとロシアなどを行き来し、「仕事をするでもなく観光者然として過ごしていた」(AFP、2018年2月9日他)。もう一人のウクライナ人代表はまだ捕まっていない。

米司法省によれば、被害は総額5億3000万米ドル余り。ネット犯罪に詳しいニュースサイトなどによると、10万ビットコイン(摘発当時の価格で8億5000万米ドル相当)も押収されたという。

タイがサイバー犯罪の拠点になるのは初めてではない。昨年は26歳のカナダ人が逮捕された。2016年にはタイの政府貯蓄銀行のATMがハッカーに攻撃され、35万米ドル相当分が盗まれた。また、レバノン治安当局につながるとされるハッカー集団が、タイを含む21か国の政府高官や軍上層部への盗聴攻撃を開始したとの情報もある。東南アジアで対象になったとされるのはタイの他、フィリピンとベトナムである。

サイバーセキュリティにあまりに脆弱とされる東南アジア。専門家が少ない上に、危機への認知度も低く、犯罪集団と当局のいたちごっこは、まだまだ前者優位が続きそうだ。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)