北朝鮮の石炭、ベトナム経由で迂回輸出か

国連制裁の対象となっている北朝鮮の石炭輸出について、ベトナムを迂回して密輸しているとの疑惑が取りざたされている。

香港メディアのアジア・タイムズは8日、北朝鮮の石炭を積んだ船舶がベトナム北部の港に頻繁に出入りしていると報じた。同メディアによれば、昨年8月末以降、北朝鮮の南浦や松林で石炭を積んだパナマ船籍などの5隻の船がクアンニン省カムファ―港やハイフォン市に到着した。いずれも中国が昨年2月に北の石炭輸入を取りやめてからで、ベトナムの港が迂回輸出に使われている疑惑を指摘している。

そもそもベトナムは豊富な石炭資源を持ち、2017年は3億ドル近い石炭を世界各国に輸出している。北朝鮮産の石炭は必要ないはずで、専門家はベトナムの港経由で再輸出されているとみている。

アジア・タイムズは、「ベトナムは北朝鮮と同じ共産主義国で透明性に欠けているので迂回地として理想的」との専門家の意見を引用している。ただ近年のベトナムは、韓国企業による投資が国別で最大で、ODA供与は日本が最大。さらに中国と争う南シナ海問題を背景に米国との関係を深めている。建国のイデオロギーが同じだからといって、国連制裁破りに手を貸す必要性は薄い。さらにホーチミン市では昨年、北の外貨稼ぎに利用されていた北朝鮮レストランが閉店している。

中央の目が行き届いていないベトナムの港湾は、通関時に賄賂を要求されることがある。北の禁輸破りを防ぐためには、地方の税関職員や地元企業をどこまで取り締まれるかがポイントになるだろう。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)