インドネシア、インド太平洋協働体を目指す

日本でも最近よく耳にする「自由で開かれたインド太平洋戦略」。昨年11月のトランプ米大統領のアジア歴訪でさらに注目を集めた新しい地域体のアイデアだ。北東の端の日本から東南アジア、インド、中東そしてアフリカをカバーし、安全保障、経済、SDGsなどの幅広い分野での協力を提案している。日本、インド、アメリカ、オーストラリアのQUADと呼ばれる4カ国が主導して進めているアイデアだが、まだ具体的なインド太平洋地域のフレームワークの構築には至っていない。

そんな中、インドネシアのマースディ外務大臣が年始の外交政策声明で、インド太平洋協働体の構築を目指すと発表した。インドネシアはもともとIORA(環インド洋地域協力連合)メンバーで、国政にフォーカスしがちだと言われるジョコ大統領も、大統領就任前からすでにインドネシアの海上安全保障力とインド太平洋地域をカバーした外交力の強化を目標と掲げ、大国としてのインドネシアのインド太平洋における安全保障と経済面でのプレゼンスの拡大を進めてきた。

外交政策声明では、さらに一歩踏み出し、インドネシアが、「ASEANと共に」「自由で開かれた」包括的な、インド太平洋地域の協力、平和、繁栄のための協働体作りを目指すことを明確にした。インドネシアの参画により、今年はインド太平洋地域体構築への波が一気に広がるかもしれない。一帯一路政策で中国が経済的にも安全保障的にも域内で力を強める中、この新しい構想がビジネス的にもさらに多様な機会を作り出すことが期待される。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)