ベトナムの「炎上」リスク

フェイスブックやユーチューブでの「炎上」は世界中で起きる。ただ炎上の原因は、文化に根差す。

ベトナムは先週、サッカー23歳以下のアジア選手権における自国代表の快進撃に国中が熱狂した。そんな中、「もし『いいね!』1,000件を獲得し、27日に開催される決勝にベトナムが勝ったら胸にベトナム国旗のタトゥーを入れる」という投稿を、ハノイ在住の米国人英語教師ダニエル・ハウラー氏は、故ボー・グエン・ザップ将軍の名前を使った下品なジョークで皮肉った。

「赤いナポレオン」とも呼ばれたザップ将軍は、ディエンビエンフーの戦いを率いてフランスの植民地支配の終結を決定づけ、総司令官としてベトナム戦争では米国を撤退に追い込んだ。

その「建国の英雄」を侮辱したとしてコメントはたちまち炎上し、地元メディアにも取り上げられた。同氏はフェイスブック上に謝罪の動画を投稿したが、仲間内のSNSで自分を批判する人々を「狂ったナショナリスト」と呼んでいることが分かり、火に油を注いだ。既に勤務先からは解雇され、来週には当局に出頭し、最大50万円程度の罰金も科される見通しだ。zザップ将軍は故ホー・チ・ミン主席らとともにベトナム人の誇りだ。ハウラー氏はベトナムに長く住み、ベトナム人の妻を持ち、運営するユーチューブは100万人以上の視聴者がいたベトナム語も話す「ベトナム通」だったが、文化的タブーを破った。さらに仲間内のグループでの本音が命取りになった。SNS上の情報を秘密にしておくことはできない。人気外国人が国中の嫌われ者に落ちるまで1週間とかからなかった。

(ベトナムウオッチャー 杜明英).