カンボジア:変わらぬ中国との蜜月、欧米の経済制裁影響せず

カンボジアと中国は今年、国交樹立60周年を迎える。先週(1月10日から11日)、中国の李克強首相が第2回瀾滄江―メコン川協力(LMC)首脳会議出席と公式訪問でカンボジアを訪れた。訪問中、カンボジアと中国は新たに19の援助と投資協定に調印した。カンボジアは更に中国から1.84億米ドルの支援を受けるとの報も伝わり、中国の援助漬けに輪をかけている。

一方、これまで支援国だった欧米との距離は広がる。今年7月の総選挙を前に野党党首追放や野党解党に手をかけるフン・セン政権に対し、欧米は「民主主義への脅威」として、カンボジア政府高官のビザ制裁や資産凍結を決定・検討する。投資中断を表明した国もある。が、現政権はどこ吹く風である。

そんな中、李克強のカンボジア訪問一日前に、日米主導のアジア開発銀行(ADB)が、カンボジアのインフラ・水供給・中小企業対策にと1.8億米ドルの援助協定に署名した。さて、これが中国との援助競争にバランスをもたらすのか、または更に加速させるのか。

日本政府はカンボジアの野党解党に懸念を示したが、制裁に関しては欧米に同調していない。日本は、欧米とアジア的価値観・独裁的政治体制の間に板挟みされているような状況だ。

中国の更なる支援は、カンボジアの欧米離れを加速させるだろう。日本の企業にとってもカンボジアで大きなビジネスチャンスを掴むのは難しくなってくるかもしれない。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)