権力集中に向かうカンボジア

カンボジアのフンセン首相が内務省にこのほど、国内人権団体「カンボジア人権センター」(Cambodian Center for Human Rights)の閉鎖を念頭においた調査を命じた。「外国人に追随しているから」というのが理由。先に解散を命じられた最大野党カンボジア救国党(Cambodia National Rescue Party)との繋がりを嫌悪してのこととみられる。CNRPの党首ケン・ソカは米国から支援を得たことを「国家反逆」とされ、収監されている。CCHRは政府に対話を呼びかけているが、政府がこれに応じる可能性は低いとみられる。

政府は来年の総選挙を前に、多くの国際NGOや海外メディアを閉鎖に追い込んでいる。国際社会でも中国との蜜月が色濃くなる中、これまで国を支援してきた旧西側諸国とは関係悪化の一途。米国とは喧嘩状態で、軍事合同演習は軒並み「延期」。直近5年で1億米ドルを支援してきたスウェーデンは、現政権の不支持を表明し、今後教育と研究分野以外での援助を止めると発表した。スウェーデンといえば H&Mの動きが気になるところ。

権力集中は汚職と利害相反を招くのが常。加えて「街場の治安は目に見えて悪化」(英国系セキュリティ会社専門家)する中、カンボジア投資は以前ほど簡単ではなくなってきた。

(Hummingbird Advisories    佐藤 剛己)