銀行を買ってまでマネロンに走る超富裕層

インド洋、というよりはアフリカはマダガスカル島の東に浮かぶ小島の国、モーリシャス。パナマ文書、パラダイス文書で一躍有名になった。面積はほぼ東京都と同じで、人口126万人(2015年世銀)、GDPは116億米ドル(2015年IMF)である。そのモーリシャスで、「超富裕層は大金で小国の金融システムを都合のいいように支配しようとしている」(パラダイス文書を引っ張るICIJ)構図を絵に描いたような事例が、マレーシア政府系ファンド1MDBスキャンダルの登場人物らの手で実行されかかったことが、最近明らかになった。

ナジブ首相も絡んで巨額の資産隠匿に使われたとされる1MDBを、当初から指南してきたマレーシア人Jho Lowと、当時ゴールドマンサックスで1MDBの口座を管理していたTim Leissner。スキャンダル発覚後に2人がモーリシャスの銀行を買い取ろうとしたというのである。

報道したウォール・ストリート・ジャーナル(”Men Linked to 1MDb Finnancier Failed in Bid to Buy Bank”, Wall Street Jounal, 2017年11月7日)などによると、米司法省が2016年7月にLowの資産凍結を求めた訴訟を起こしたその数か月後、Low、Leissnerとタイ人のPhengphian Laogumnerdが、カタール資本のモーリシャス銀行であるCentury Bank買収を試みたという。しかし国の中央銀行はすでに世界の金融界で話題になっていた1MDB関連であることを疑い、米FBIに通報、買収を断念させた。(敬称略)

(Hummingbird Advisories 佐藤 剛己)