インドネシアで広がる中国人労働者への反感

どの国にとっても新型コロナ対策と経済活動の再開のバランスが大きな課題となっている。インドネシアも同様だが、そこに中国との経済関係と言う要素が絡んできている。中国系企業からの要請もあり、インドネシア政府は中国人労働者に労働許可を出し始めた。これに対して地元住民と政府からの反発が出ている。単に中国人がウィルスを持ち込む懸念があるだけでなく、コロナ禍の失業者数が280万人以上となり、外国人労働者に仕事を持っていかれることへの反感も非常に強い。ちなみにCenter of Reform on Economics (CORE) Indonesiaの先月27日のレポートでは、2020年第2期だけで失業者が425万人以上増えるかもしれないと予測されている。

先月後半には、政府が500人の中国人労働者に労働許可を出したことに対して、南東スラウェシ州議会と政府が拒否している。労働許可を申請した中国系のVirtue Dragon Nicket Industry社とObsidan Stainless Steel社は、現地の労働者を集めようとしたが、辺境地での労働を希望する人や資格を持つ人が集まらなかったため、仕方なかったとしてる。真相は明確ではないが、失業者数がうなぎ上りの中、わざわざ中国から労働者を500人も連れてくるとなると、現地受けは非常に悪い。

インドネシアでは5月12日の時点で感染者数が14,265人、回復者数が2,881人、死者数が991人。今後とも増えると予想されている。経済再開を急ぐあまり、反中感情を扇る結果になるのはインドネシア政府も中国政府も望むところではないだろう。ワクチン開発までにまだ時間がかかる中、中国系企業(および他の外国資本企業)による現地労働者の雇用条件の見直しなど、さらに知恵を絞り、経済再開への道筋を模索する必要がある。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)