バンコクの先進性から見る日本の”能天気”

タイ・バンコック銀行副頭取の小澤仁氏が、吠えている。本稿でも何度かご登壇いただいたが、今回はタイの新型コロナウイルス対策から比較する、日本のテイタラクである。執筆先の「ニュース屋台村」は今月1日の掲載だが、転載優先権を持つ「バンコク週報」への掲載は先週土曜日だった。

小澤氏は、国境なき医師団などの設立に尽力、2017年に没したスウェーデンのハンス・ロスリング医師の著作などを引用しながら、新型コロナ対策の3施策は「新治療薬またはワクチン開発」「体内免疫醸成」「予防策実施」に限られると説明。各種事実をベースに、治療薬またはワクチン開発は短期的にはほぼ見込みがない。体内免疫醸成には人口の70ー80%の感染が必要だが、ダイヤモンド・プリンセスでは感染者721人で死者10人(死亡率1.4%)、中国では感染者81,470人に対し死者3,304人(同4.1%)。とても免疫醸成には足りず、「日本では医療崩壊を起こさないことを仮定しても、123万人の死者が出る」という。

つまり、人類は3点目の予防策にかけるしかないとして、タイでの施策に触れる(写真は、今年4月16日、Chainwit氏撮影)。

  • 2月中旬、オフィスビル入り口には検温とアルコール消毒が一般的に。電車に乗る際も同じ
  • 希望すれば誰でもPCR検査は可能
  • 3月22日に事実上の都市封鎖
  • 同26日に全土に非常事態宣言、スーパーと薬局を除き全商店閉鎖、飲食店は持ち帰りとデリバリー(あるのが凄い)のみ、映画館や娯楽施設は全て閉鎖

「タイは日本からは後進国の扱いしか受けていない」と同氏。しかし、「こんなタイから日本を見ると、現在のその有様は全く不可解としか思えない。あまりにも能天気な日本政府の対応に、私は恐怖すら感じている」。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)