布マスクとICカード

シンガポールでマスク配布第2回が今日から始まった。居住地区のコミュニティ・センターで配布される(写真)。筆者が住む地区のセンターは自宅から徒歩5分ほど、公団住宅(いわゆるHDB)の1階に簡易の机が計3台並べられ、最初の机で体温を計り(非接触式)、次の2台の机でマスクが家族の人数分手渡される。1回目(文中写真、この時はサージカルマスク各戸2枚)と配布場所が少し違うのはご愛敬である。

東南アジアは加盟するほぼすべての国でIdentification Cardカード(日本でいうマイナンバー・カード)が普及し、住所、携帯番号、保有車両、職場、税金などがまとめられている。パスポート保持は義務ではないが、ICカードは義務。日本では批判も多いが、政府にはもちろん、個人にも便利この上ないのである。

シンガポールの場合、冒頭のようにマスクをもらう時はもちろん(台湾と同じく「2度渡し」がない)、日頃のビジネスでもセキュリティ・ゲートを通過する際、銀行口座を開く際など、ほとんどこれ一つ。何よりもICカードの番号はシンガポール歳入庁に紐づいていて、税金の捕捉漏れが(ほぼ)なくなる。毎年の所得税申告(tax return)は、よほど問題がなければオンラインで1、2往復くらいで済む。何より税務署へ行かなくてもいい。会社勤めの方は、条件さえクリアすれば申告の必要がないのは日本と同じだ。

日本で配ろうかという布マスクも、マイナンバー・カードが普及していれば薬局でもコンビニでも配れるだろうに。日本は永田町・霞ヶ関から津々浦々まで社会の「無駄」があまりにも多い。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)