旅券の確認、やってできないことはない

「パスポートの真偽を確認して欲しい」。こう依頼されることが年に何度かある。国籍は様々で、日本人や企業から国外のものを確認してほしいと頼まれることもあれば、非日系の会社から日本人のそれを依頼されることもある。投資を考える顧客が、コンサルタントを経由して投資事業を考えていて、その身元保証がパスポートという訳だ。

しかし、どの国も民間に開かれた「鑑識官」がいる訳ではないので、筆者が顧客から仕事を受けても持って行ける先はない。

先週、ポーランドと南アフリカ、2件ほぼ同時に依頼があった。ポーランドは筆者が初めて手がける国で、コンタクト先を探して頼んでみた。その能力を確かめようという下心もあった。こちらは上手くいった。偽造だったのである。南アフリカの方は、自分でなんとかならないかと欲を出し、まずはGoogleのイメージ検索から始めた。ものの5分で、ほぼ瓜二つの写真がオンライン上にアップされていたことが分かった(サムネイル写真は、「2013年に当局から殺害されたテロリストの偽造パスポート」と当時のニュースにはある)。写真左上と下に見える指の具合が、顧客から出されたそれと同じだったのだ。

顧客からはポーランド分の費用を頂いたが、南アフリカの方は無償でお返しした。今の新型肺炎の蔓延を考慮すると、人々はなるべく離れたままビジネスをしようとするだろう。この手の詐欺話は東南アジアでも出そうだ。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)