インドネシア、73の法律を一度に改正?

今年2月、インドネシア政府が「omnibus bill」と呼ばれる法案を国会へ提出した。外資からの投資促進を掲げ就労機会を迅速に拡大することを目的とし、既存の73法を一括で改正するため、15章174条から成る。網羅分野は通商、天然資源、建設、教育など多岐に渡り、主要改正の焦点はライセンスなどを規定する労働法になる(写真は、インドネシア政府広報より)。

第2次ウィドド政権としては、昨年第4四半期のGDP成長が目標5%に届かず4.97%に終わったこと、さらに新型コロナウィルスの広汎な伝播でさらなる経済失速が予測されることから、是非とも成立をさせたいところ。欧州勤務の長い外務官僚Erry Wahyu Prasetyo氏はJakarta Postに寄稿、世銀データなどを引き合いに自国がイノベーション分野でシンガポールやタイ、マレーシアなどに遅れをとっているとして、導入を歓迎する。一方、反対派はomnibus billが環境保護や事業許可の点から労働者人権保護に逆行する、などとして反対している。

法案を巡って国論が割れるのは、インドネシアでは良くある。最近では、イスラム過激派(IS)に忠誠を尽くして国外へ出たイスラム過激派をインドネシア国民として認めるかどうか、いざという時に自国へ送還させるか、という問題があった。政府内を始め、新聞や研究者などの間で散々議論があった末、ウィドド大統領が「一度国を捨てた人を戻す必要はない」と裁断した。

健全な議論がある。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)