元独外交官に中国スパイ嫌疑

ドイツ政権が揺れているといえばキリスト教民主同盟の党首選びだが、中国スパイのある事件も話題になっている。Gerhard Sabathil氏、外交官として30年以上活躍し、2015年にはEU大使として韓国に赴任した著名外交官だ。今は、EUの秘密事項を中国に渡したとしてドイツ当局からスパイ容疑で捜査を受けている。1月中旬には、ドイツとベルギーの自宅など関係先9箇所が一斉に捜索を受けた

Satathil氏と中国の接点は現在の妻、Shen Wenwen氏だ。2人が接点を持ったのは2013年ごろ、当時は2人ともブリュッセルにいて、欧州外交について共同論文を執筆した縁だという。その後、Shen氏は欧州委員会の奨学金を得て豪国立大学に留学。NZでも複数大学に在籍し、2015年に韓国の高麗大学に転じた。このころは、すでにSatathil氏は韓国に赴任しており、氏の尽力でShen氏はEuropean  External Action Service(EEAS、欧州対外行動局)で職を得た。そのSatathil氏は翌2016年、ドイツの内務諜報機関BfVからセキュリティ・クリアランスを剥奪された。現在2人は子供と共にベルリンで生活しているという。Satathil氏はドイツ帰国後、何事もなかったようにロビイング会社Eutop(自身はMD)で勤務していた。Shen氏は中国国家安全部所属という情報もある。

ノーベル平和賞を取った中国の故劉暁波氏(2017年没)の妻劉霞氏が2019年、チェコ・プラハで天安門事件での劉暁波氏の功績を称える展示会に出席を予定していた。が、Satathil、Shen両氏は主催者に「劉霞の式典出席はチェコ・中国関係を悪化させる」として妨害、劉霞氏の出席を断念させたという。

「China spy suspect casts chill over EU’s vulnerabilities」(FT)と、ヨーロッパでは受け止められている。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)