フィリピン、中国のほぼ100%財政支援で首都空港建設か

フィリピン・マニラのアキノ国際空港を保管する役目を狙ったSangley Point International Airport建設計画(写真はPinoy Aviatorsのフェイスブックから)。建設業者を決める入札が昨年末に締め切られ、本来ならすでに業者が発表される時期なのだが、直前で足踏みしている。

この計画、何かと「ケチ」が付いている。業者入札予定費用5,500億ペソ(約110億米ドル)の98%を中国勢が肩代わりする上、工事業者は南シナ海のスプラットレー諸島の埋め立てを強行する中国CCCC Dredgingの親会社China Communications Construction Company Ltd(CCCC)になりそうなのだ。加えて、CCCCは2011年から6年あまり、国際事業における不正敢行で世界銀行から制裁を受けていた企業。最初から入札不正が行われていた可能性も指摘され、先月の落札者発表が見送られている。

昨年7月に実施されたフィジビリティ・スタディでは、すでに予定費用の75%を中国の国家開発銀行(China Development Bank)が財務支援、23%が中国企業、残る2%が地元Cavite政府負担と決まっていたらしい。当時から、中国側へ発注することが前提になっていたかのような計画だった。

入札に参加予定だった6事業体(報道により7事業体)のうち、札を入れたのはフィリピン航空オーナーのLucio Tan氏が保有するMacroAsiaと、中国CCCCの共同事業体だけ。他の5(6)事業体は「(入札公示から締め切りまで)ふた月しかなく現実的でない」「事業体選定プロセスが性急すぎる」「うちは中国勢と組んでないからしょうがない」と、応札に至らなかった。

批判の報道を受けてフィリピン政府は「You must remember that this government has always been open to any complaint. In fact, we encourage people to complain, so that we will know whatever anomalies there are(我々はオープン。不可思議な点があれば、是非苦情を寄せてほしい)」などと強弁。今のところ、特定事業体が落札したことを示す情報はないが、このまま行けば、送電線網どころが空港まで中国の実質配下に入ることになりそうだ。

Sangley Point空港は、駐留米軍基地跡地。2014年に日本の国際協力機構(JICA)がフィリピン政府の委託を受けて建設素案を作成していた。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)