新型コロナウイルスと東南アジア:カンボジアではマスク禁止

中国との距離感に四苦八苦するのが東南アジア各国。新型コロナウイルスを巡る対応でも差が出てきた。週末に複数英字紙が興味深い記事を出していた(NYTWSJなど)ので、これを紹介しつつ、各国の対応の違いを「対中国」の観点から並べてみた。尚、感染者などデータは特記のない限り、the wuhanvirus.com(2020年2月3日時点)より。現在、米国と同じ出入国制限をするのは、シンガポール、フィリピン、インドネシアである。

  • シンガポール:感染者数が18人。1月31日から直近14日の間に中国滞在歴がある外国人の入国を禁止するなど。政府タスクフォーストップは「流入ケースを減らし、ウィルス蔓延から居住者(community)を守る」。直近情報では、524人が隔離されている(Straits Times)。
  • タイ:感染者19人。公共保健相は中国本土からの渡航者について空港でのビザ発給当面中止を勧告するも、プラユット首相は観光担当官庁との協議の上で提案するよう横槍り。このプロセスには数日かかる見込み。
  • カンボジア:感染者1人。1月30日の記者会見で首相が「自分がマスクをしていないのに、なぜ君たちがするか?」と、恐怖心を煽るとの理由でサージカル・マスク着用を禁止。中国本土からの入国制限の予定なし。
  • フィリピン:感染者2人、死者1人。先週前半、ドゥテルテ大統領は中国本土からの流入を制限する理由はないと明言。批判を浴びた。1日に死者が確認された後、中国本土、香港、マカオからのほぼ全員の入国を一時停止。
  • ミャンマー:感染者1人(NYT)。ヤンゴンの病院モニターには「ウイルスを怖がるのはやめましょう。中国製で長続きしません」というアナウンス。国内ではウイルス検査技術がなく、タイか香港にサンプルを送らないといけない。「玉ねぎを沢山食べるか手に持てばウイルスを防げると中国政府はアナウンスした」(根拠なし)というフェイスブックが流れ、政府高官でさえ「いいね」を押した。
  • インドネシア:感染者は確認されていない模様。多くの島嶼部で構成されるだけに、各所でモニタリングの不備や位相チャーター機の混乱が伝えられていたが、3日午前零時から、直近14日間に中国本土に滞在した人の入国、トランジットを禁止すると同時に、国民の中国渡航を禁止した。
  • ラオス:患者数に関する情報が見当たらず、1月30日収録の健康省准教授による「感染者は確認されない」というYouTubeがある。首都ビェンチェンから中国本土行き飛行は休止中。タイも跨ぐゴールデン・トライアングル付近の国境も封鎖した。

対策の遅れが大事態にならないことを祈るばかり。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)