マレーシア・ビジネスの裏に首相怒る

マレーシアのマハティール首相が怒っている。「公共事業の契約、許認可権、ライセンスを第三者に売るな」というもので、専ら国民向けである。マレーシアでは1970年代から、特に低所得者向けに就業機会創出を目指した「New Economic Policy」政策で、多くの事業機会や補助金を支給してきたが、かなりの部分は短期利益を狙って転売されてきたという。

少し調べてみると、首相が怒っているのは今に始まったことではなく、政権に返り咲いて早々からも叱咤を繰り返している。いわゆるブミプトラ政策はNECの一貫(すべてではない)で、一般には「マレー人優遇策」と一括りにされるが、首相の批判は「ブミプトラが得た権利を、それ以外の人(例えば華人系など)に転売する行為」に向いている。2002年にも「(ブミプトラの保有株式が目標値を達成しなおには)政府の支援で取得した株式をブミプトラがすぐに転売したから」と苦言を呈していて、かなり構造的問題なことが窺える。

筆者が手掛けてきたマレーシア関連のプロジェクト、あるいはマレーシアで出会って得意げに新規事業を自慢しながら翌年は連絡が取れない人々の存在など、思い当たるものが少なくない。表にちらほら出てきていることから、実態はかなり酷いと想像する。(写真はKLの夕景。本文とは関係ありません。)

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)