競争力を増すインドネシア軍事産業

インドネシアの軍事産業が盛り上がりを見せている。インドネシア中央統計庁の発表によると、防衛機器の輸出が昨年1月から9月で2018年の同期間より5倍増(約48万米ドル)となった。製造も増強している。兵器や弾薬の主な輸入国は、南アフリカ、ベルギー、そして日本、また戦闘車両はフィリピン、ベトナム、そしてタイなどだ。戦闘車両は同期間比で38%輸出増(約100万米ドル)と好調だ。

第2期ジョコウィ政権で国防大臣となったプラブオゥ氏は、就任後2か月ですでにマレーシア、タイ、トルコ、中国そして日本などを訪問し、インドネシアの防衛機器のセールスを積極的に行った。国防省の報道官によれば、ラオス、ガーナ、UAEもインドネシア国有兵器製造企業 Pindadから防衛機器購入を検討している。

また数日前に、2.5兆円というインドネシアにとっては前例のない投資覚書を締結したUAEとは、国営企業Pindad(写真は、Pindadの中型戦車Harimau、2017年のインドネシア軍創立72周年式典より)が共同で兵器や水陸両用戦車を製造することで合意した。韓国とは戦略的パートナーシップを結び、KF-X戦闘機の共同開発に取り組んでいる。プラブオゥ大臣は中国訪問時にも防衛技術の開発について議論している。

専門家は、インドネシアからの兵器購入は、アメリカやロシアなどから購入するよりも地政学的影響を受けにくいと考える国が多く、また製品の性能も向上したため、購入を前向きに検討する国が増えていると話す。

巨大軍事産業を抱える欧米諸国に比べればインドネシアは兵器輸出国としてはまだ序の口といったところだろうが、言い換えればそれだけ伸び代があるということ。東南アジアにおける軍事産業市場の拡大はまさにこれからだろう。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)