相次ぐ違法オンライン・カジノ摘発と、中国

東南アジア各国で違法オンライン・カジノや、サイバー上の投資詐欺の摘発が相次いでいる。いずれも中国国内の顧客を狙ったものが集中的に摘発されている模様。一度に数百人単位で逮捕される事例もある。

今月19日、フィリピン・ケソン市中心街で、違法カジノのIT拠点だったオフィスが当局の家宅捜索を受け、中国人342人が逮捕された。フィリピンでは2016年にオンライン・カジノが解禁されてから、中国から多くの違法業者が流れ、大陸の顧客を相手に荒稼ぎしていると言われてきた。特に、この8月にカンボジアが中国政府からの要請を受けてオンライン・カジノを禁止したこともあり、フィリピンの首都マカティでは流入する大量のカジノ業者のせいでオフィス賃料が高騰。同市はカジノ・ライセンスの新規発行を停止する事態になっている。また財務省は9月、税金を滞納するオフショア・オペレーターの閉鎖を歳入庁に命じたところだった。

他にも東南アジアでは、ざっと追いかけるだけで次の事例が確認される。フィリピン、マレーシアの事例が中心だが、これ以外にも相当の摘発数があるとみられる。人数はいずれも、オンライン・カジノなどの拠点が家宅捜索された際に逮捕された中国人の数を示す。

  • 12月19日、342人逮捕(フィリピン ・Quezon)
  • 12月9、12日、105人逮捕(マレーシア・Perak)
  • 11月29日、52人逮捕(マレーシア・Sarawak)
  • 11月26日、104人逮捕(マレーシア・Sabah)
  • 11月20日、680人逮捕(マレーシア・Cyberjaya)
  • 9月23日、2019年中にこれまで約1000人の中国人を逮捕と発表(カンボジア)
  • 9月15日、324人逮捕(フィリピン西部)
  • 9月11日、277人逮捕(フィリピン・Manila)

中国はこの9月、「衛星国家」となりつつあるカンボジアと共同摘発のためのMOUを締結。中国公安省の専門家や技術者をカンボジア警察に派遣する条項が含まれている。中国が、他の東南アジア諸国へもアプローチしていることは確実。犯罪抑止という点ではいいことだが、その圧力はいかほどだろうか。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)