ベトナム:汚職慣習から抜け出す難しさと必要性

ベトナム商工会議所(VCCI)が先日、年間報告書を発表した。報告書によると、昨年だけでも30%のベトナム企業が、違反を見逃してもらうか罰金を軽くしてもらうために税務当局担当者へ賄賂を渡した。また、7.1%の企業は年間収入の10%以上を役人への「非公式手数料(unofficial fee)」として支払ったと回答。さらに、回答企業の61.6%は「手数料」の支払に応じた対応をしてもらった、とした。金融部門でも贈賄は横行していて、40%の回答企業がローンを組むために銀行の担当者に賄賂を払ったと回答した。

VCCIは2015年から年間報告書を発表しているが、ベトナムのお役所主義と汚職・賄賂の慣習はあまり変化が見られない。ベトナム政府は企業の行政手続きの簡素化を図っているが、企業側からすれば遅々と進まないようである。今年も過去2年と同様、約60%の企業がお役所主義に関わるトラブルに見舞われ、70%もの企業は「地元政府にコネがある企業よりも不利益な立場にある」と感じている。この状態が、さらに賄賂の受け渡しを助長するという悪習に繋がる。

世界銀行の2020年版ビジネス環境ランキングで昨年の69位から70位に後退したベトナム。東南アジアで投資誘致競争が激しさを増す中、行政手続きの簡素化や賄賂・汚職へのより迅速な対応が来年にはどこまで進むだろうか。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)