カンボジア・フンセン首相側近に米制裁

今週月曜日(12月9日)は国際汚職撲滅デー。アメリカ財務省は、政府と軍の役人に賄賂を渡して違法に木材を輸出するネットワークを構築したとして、カンボジアの「木材王」、Oknha Try Pheapと彼の経営する11社に、資産凍結とアメリカ企業が取引をすることを禁じる経済制裁を課すと発表した。また、度重なる汚職と資源搾取を行ったとして、カンボジアの退役軍人問題担当上級大臣のKun Kimと彼の家族および彼らの所有企業に対しても、同様の経済制裁を課した。PheapもKimもカンボジアのフンセン首相の側近と呼ばれる人物だ。

ちなみにPheapの11社は、Try Pheap Group Co., Ltd.、M.D.S. Import Export Co., Ltd.、Try Pheap Dry Port Co., Ltd.、Try Pheap Engineering & Construction Co., Ltd.、Try Pheap Grand Royal Co., Ltd.、Try Pheap Import Export Co., Ltd.、Papa Petroleum Co., Ltd.、Try Pheap Property Co., Ltd.、Try Pheap Travel & Tours Co., Ltd.、M D S Thmorda S E Z Co., Ltd.、そして、Try Pheap Oyadav S E Z Co., Ltd.。

カンボジア政府や関係者は、今回の制裁はアメリカ政府のでっち上げだと主張。そもそもPheapもKimも凍結される資産は海外に持っておらず、制裁は無意味だとしている。

来年2月にEUのEBA協定が維持されるかどうかの決断が迫っているこの時期に、今回のアメリカの制裁がEUの決断に何らかの影響を与える可能性は、十分に見込まれる。先月発表されたEUの一次報告は「EBA協定失効を免れるための十分な措置をカンボジア政府は採っていない」と警告している。じりじりとカンボジアを追い詰める欧米だが、それは反作用に働き、カンボジアの中国化をさらに進めることになるのかもしれない。(敬称略)

(Hummingbird Advisories 白新田十久子)