中国に侵食されるフィリピン

フィリピンの電力網は中国がいつでも遮断可能、とする報告書がフィリピン国会議員向けに出回っていることが、11月26日に報道された。同国の送電事業はフィリピン法人であるNational Grid Corporation of the Philippines(NGCP)が請け負っているが、この40%を中国国営企業、国家電網(State Grid Corporation of China)が保有していることから生まれた懸念だ。内部報告書は「主要システムにアクセスできるのは中国人技術者だけ」「理論上は中国政府の指示で、遠隔操作でシステムを停止できる」などを指摘しているという。

類似の懸念は、フィリピン軍でも確認される。軍施設内の、携帯電話やWi-Fiなど無線データ通信網を敷設するため、同国法人のDito Telecommunity(旧名Mislatel)が建設を受注、請け負うことでこの9月に軍と合意した。が、実際に建設するのはモバイル技術がほとんどない(とされる)同社ではなく、同社を40%保有する中国国営企業、中国電信(China Telecom)らしい。

表立っては見えないが、国家の土台が侵食されている。(写真と本文は関係ありません。)

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)