世銀、ミャンマーへの2億米ドル貸付を保留・用途転換

世界銀行は先週、今年8月にミャンマー政府と合意・署名したミャンマーへの2億米ドルの貸付金を保留し、用途を転換する意向を発表した(World Bank Group response to the situation in Myanmar, October 12, 2017)。原因はラカイン州におけるロヒンギャへの弾圧である。

貸付金はミャンマーの長期的な平和と発展を促すのが目的で、予定通りに実施されれば、国際金融機関によるミャンマーの国家予算への初めての直接財政支援となるはずであった。声明で世界銀行は、貸付金が効率よく使われにはさらなる“進歩”が必要だとした。貸付予定の2億米ドルは、用途を転換し、新たなロヒンギャ難民支援プログラムに使われる予定である。

ロヒンギャ問題で西側諸国や機関がミャンマーへの支援を一時停止したり取りやめたりする一方、中国は続けて、投資、貿易、安全保障分野でのミャンマーとのつながりを強化している。アウン・サン・スーチー国家顧問の下、経済運営の不安定が憂慮され、中国からの投資・支援は欠かせないという現状がある。今後のミャンマーの経済的・社会的発展の方向性は、アジア地域の地政学的バランスにも大きな影響を与えるだろう。

(Hummingbird Advisories 白新田(しろにった) 十久子)