中越へ武器売り込みを図る仏と、日本

ベトナムと中国に対して、フランス企業が旺盛な武器やシステムなど軍用製品のセールスを展開している。中国に関しては、米中貿易戦争が長引く中の間隙を縫う格好。ベトナムについては、これまで米国とイスラエルが激しく競合してきたことへの倦厭感の中、旧宗主国としての立場をテコに入り込んでいる。

中国は例えば、中国人民解放軍の戦力をレビューする国防科技大学の10月の報告書が、フランスの軍事産業モデルを賞賛。仏Dassault社の戦闘機Rafale(写真は資料)やMirage、潜水艦などの戦闘能力を詳述していると、業界紙は伝えている。また、中国はRafaleの操縦能力を持つフランス軍人のリクリーティングにも精力を挙げていると言われる。一方、フランス側ではこうした中国からの秋波に対する警戒感も出ているらしい。この業界紙は「フランス海軍施設が多いブルターニュでは、フランス軍人と中国人女性の結婚件数が非常に多い」と、中国からの接近具合を困惑気味に伝えている。

一方のベトナムでは、仏Thales、Airbus社による売り込みが表立っているという。最近まではイスラエルIsrael Aerospace Industriesや米Lockheed Martinなどが軍用システムを納入してきたが、ベトナムの防衛大臣に非常に近いとされるベトナム人女性実業家を軸に、仏社が売り込みをかけている。そして、この列に加わろうとするのが日本とロシアだ。日本は「日越交流へ多大な貢献があった」として昨年、この女性に旭日章を授与。業界では「情報衛星システムの売り込みを図るため、この実業家の取り込みを狙っている」という見方がある。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)