“シンガポール人にまず雇用を!” 反移民(?)集会

シンガポールでは来年前半にも総選挙が行われるとされている。そんな中今月3日に、シンガポールで唯一、公共の場で集会を開いて政治・政策的考えを発信できる「スピーカーズ・コーナー」という場所で、”まずはシンガポール人に雇用を!”を訴える集会が開かれた。シンガポールは約550万という人口のうち40%が外国人という超移民大国である。この集会のリーダーは、「外国人を雇う前に、シンガポール人をもっと雇えないかどうかの努力がもっとされるべきだ」と訴えている。

私個人に起こったことはないが、5−6年前は、外見西洋人やアフリカ系の友人がスーパーでいきなりローカルのシンガポール人に「自分の国に帰れ!」と怒鳴られたという話をよく耳にした。その後、シンガポール政府がシンガポール人の雇用促進政策を取ったり、外国人へのビザ発給ルールを厳しくしたりして、最近は「外国人嫌い」な人の声もあまり耳にしなくなったと思っていたところだった。

今回のスピーカーズ・コーナーでの集会は、選挙前のいわゆる「ガス抜き」だろう。シンガポールは決して反移民ではないし、多くのシンガポール人も移民(外国人)の必要性を良く分かっている。ただ、低賃金労働は他のアジアから来た労働者、高賃金専門職は資格と経験が豊富な外国人に与えられがちなのも現実。シンガポール人が不満を持つのも分かる。だから声を上げる機会があるのも大切なことなのだ。

ちなみに私はシンガポール人の友人たち、特にこちらで「aunty」と親しみを持って呼ばれるおばちゃん仲間には、とても良くしてもらっている。「外国人」という理由で嫌な思いをしたことは、日常生活に関する限りは幸いにもない。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)