KPK弱体化、加速か

インドネシアの汚職捜査機関、KPK(Corruption Eradication Commission)の次期委員長に、この6月までKPKメンバーだったものの重大な倫理規定違反があったとしてメンバー資格を剥奪されていた警察官僚が選ばれる見通しになった。先週13日、下院議会の法務関係を審議する第3委員会(委員長はゴルカル党のAzis Syamsuddin氏)が、55委員の全員一致で、現在南スマトラ警察署長のFirli Bahuriを推薦することに決めた。今週金曜日の下院総会で決まる見通し。

KPKメンバーだったFirli氏は昨年5月、KPKが捜査中の案件だった金鉱山会社PT Newmont Nusa Tenggaraを巡る汚職事件で、容疑者とされる男性とテニスをしている写真を発見された。その後、昨年11月にはジャカルタのホテルで、政権与党のPDI-P党首メガワティ氏と面談していた様子が目撃された。これを問題視したKPKが、今年6月にメンバーから外すことを決めたもの。直後にFirli氏は古巣の国家警察に戻され、同署長に就任していた

金曜日の委員会決定後の会見でFirli氏は、メガワティ氏と面談した理由を尋ねた記者を笑い飛ばし、「それは言いたくない」と言い放ったという。また、KPK法(2002年)の改正案も下院で審議される予定で、この改正案が通ればKPKの相当な骨抜が懸念されている。KPK弱体化の動きが勢いを増しそうだ。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)