「デング熱の猛威」、注意喚起出さない公館も

数年ぶりの大問題になっているヘイズに合わせ、デング熱が東南アジアで猛威をふるっている。国によってはピークを過ぎつつあるが、マレーシアなどを筆頭に依然として高い発生数を記録している。一部の外務省公館は在留法人に注意喚起をしているが、全く情報を出さない公館もあり、各企業のリスク担当者は情報収集には留意が必要だ。

WHOが出している直近の集計データ「Dengue Situation Update Number 576」(2019年8月29日現在)によると、8月11ー17日の週の発生数がマレーシアは2,741件(2019年累計で85,270件、死者121人)、フィリピン12,802件(同208,917件、882人)、ベトナム8,970件(同124,751件、15人)で、増加率ではベトナムの昨年比3倍増を筆頭に、マレーシア、フィリピンとも昨年の約2倍増である。シンガポールも523件(同10,206件)で、近年大流行した2013、2014年ほどではないものの、毎週100件程度の報告しかなかった昨年、一昨年と比べると、大幅増である(写真はシンガポールの住宅街で)。

シンガポールNational Environment Agency(環境庁)が出している週間統計を見ると、8月18日以降の各週発生件数は476、414、330件(9月1ー7日)と減少。政府による発生件数の多い地区での、各戸見回りと消毒が奏功していると見られる。他国でも対策が取られつつあるためか、WHOデータによる限り、今では各国とも減少傾向にある。蚊が媒介するデング熱は、2回目の感染で重篤化するとされ、特に生活に不慣れな外国人駐在員と家族には深刻な問題だ。

これに合わせ、日本外務省の一部公館が注意喚起を「たびレジ」経由で出している。確認できる範囲で最も早かったのは、ホーチミン総領事館の2018年7月。この後8月に香港、台湾、10月にインドの公館など、さらに今年前半にかけていくつかの公館から注意喚起が出た。注意喚起の発出が確認できないのは、東南アジアではシンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマー、ブルネイである。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)