越僑、ズン元首相を仲裁裁定に引きずり出す

米系ベトナム人企業家が、ベトナム元首相のグエン・タン・ズン氏に25億米ドルの仲裁裁定を申し立て、法曹界の話題になっている。訴えたのはベトナム生まれで現在テキサス州ヒューストンに住むMaya Dangelas氏。9月4日に公開された仲裁告知によるとDangelas氏はベトナムに住んでいた2007年、当時経営していたTan Tao Energy Corporationの子会社、Tan Tao Investmentがベトナム政府(当時はズン首相)と南部Kien Giang省(ズン元首相の出身地)で工業団地や港湾を進めることで合意した(The Kien Luong Thermal Complex Power Project)。ところが、2016年にズン元首相が契約を一方的に破棄し、結果、25億米ドルの損失を被った、という

この仲裁でDangelas氏を代理するのは、テキサスでは著名な弁護士Tony Buzbee氏ら5人。Buzbee氏は今年11月のヒューストン市長選に立候補予定だ。仲裁は、パリに本部を置く国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)での審理を要求している。ベトナムは、長らくUNCITRALの構成国ではなかったが、2018年12月の本会議で構成国の選挙で初めて当選、委員のポジションを得た

Dangelas氏は、2016年の米大統領選でトランプ陣営に1万米ドル以上を寄付。2018年には、フェイスブックで見知らぬ人物から誹謗中傷されたとして、書き込みをした2人(名前から在米ベトナム人と推量される)を訴えている。背景事情は複雑なのだろう。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)