不法廃棄物、流通に乗せたのは誰か

東南アジア各国が、海外から不法輸入された廃棄物を排出元国へ送り返す例が後を絶たない。5月にはマレーシアが450トン、6月にはフィリピンがカナダへ1,500トン、そして今月に入りインドネシアが米国やフランス、オーストラリアなどへ次々と合計1,500トン余りの不法廃棄物を送り返すと発表した。いずれも「リサイクルごみ」の名目で受け入れたのに、開けてみたら家庭ごみから電子ごみ、プラスチックごみまで有害廃棄物を含んでいたというもの。マレーシアの事例はシップバック先に日本が含まれていて、大々的に報道された。

ベトナム(電子ごみなどの中国向けバックドアとして使われる)では、公式発表はないが、電子ごみの不法解体施設近郊で重金属汚染が指摘された。世界的にも、インドやガーナなど悲惨な状況が多く明らかになっている。

不法ごみの流通には多くのケースで暴力組織の介在が指摘される(UNODCなど)こともあって、流通経路が明らかになったり、排出元の責任が問われるケースはほとんどない。前記フィリピンのケースでは、排出元としてカナダ・オンタリオの企業名や、また、カナダ政府がシップバックを依頼した搬送業者も明らかになった。一方、日本では2016年7月にタイからシップバックされた約200トンの有害廃棄物について、送り返し先を「受け取れる状況にあるかどうか不明」(環境省)との理由で明らかにしなかった(2016年8月17日、当社ニュースレター)。

廃棄物を巡る状況は暗い。そんな中で気を吐いている環境急進派でマレーシアのエネルギー科学技術環境気候変動大臣のYeo Bee Yinさんの動向は、評価はいろいろあようだが、今後東南アジアのごみを巡る政策の先行指標になるかもしれない。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)