思いのほか景気が低迷しているらしいシンガポール

シンガポールの景気が思いのほか悪いらしい。政府金融庁( Monetary Authority of Singapore, MAS)は6月半ば、年率GDP予測を2.1%と、3か月前から0.4ポイント引き下げた。これに先立って貿易産業省(Ministry of Trade and Industry, MTI)は5月、それまでの成長予測を従来の「1.5% – 3.5%」着地から、「1.5% – 2.5%」着地と枠を低め修正した。業種別に見ると、金融業はなんとか持ちこたえているものの、製造業と通商の停滞が大きいという。

街場では、日本の安売り大手「Don Don Donki」の相次ぐ出店にシンガポール人は興奮。筆者の知人にも金融から同社に移った方もいて、華やかな話が目立つ。が、確かにシンガポール人からは、「首になった後、なかなか次が見つからない」という話もないではなかった。

日系居酒屋の女将さんと先日その話になった。彼女曰く、「駐在員さんは皆ぼやいてるな〜。『あと2年、我慢すればなんとかなる』って言う人もいるわよ」。2年我慢しないといけないレベルなのか。某セミナーでは、日本政府高官が「来年はもっと酷い」と発言した。駐在企業からブリーフィングが元になっているのだろうが、「ネタはどこから?」と、外国人出席者を驚かせた。

米中冷戦の影響はあっても、景気はメンタリティが左右する部分も大きい。だからこそ、景況「感」が大事なはずだが、シンガポールに限らず東南アジアではメディアからこれを感じることが難しい。人から聞いた話を積み重ねるしかない、ということか。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)